2-1. 学生オススメ」カテゴリーアーカイブ

佐久間修, 橋本正博編 ; 岡部雅人 [ほか]著 『刑法の時間』

 

 

フロンティアサイエンス学部 4年生 島村 大地さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 :?刑法の時間
著者 : 佐久間修, 橋本正博編 ; 岡部雅人 [ほか]?著
出版社:有斐閣
出版年:2021年

皆さんは、「刑法」というのにはどのような印象を持つでしょうか。例えば死刑や禁固刑などのワードからこわいものであったり、そもそも法律の一種ということから堅苦しいものだと感じるかもしれません。特に条文を開くと過失傷害や業務上過失致死傷など一見難しい言葉が何個もみられ、それだけみても理解が滞ってしまうかと思います。そういったときに、このような法律の用語がどのような意味なのか、またどのようなところで使われるのかなどを学べるのがこの『刑法の時間』という本です。

この本では、総論と各論という二部構成で分かれています。総論ではそもそも刑法とはなにかであったり、法律のなかで使われる過失と故意の違いであったりなどの言葉をかいつまんで解説しています。一方、各論では「窃盗罪とは」であったり、「詐欺罪と窃盗罪ってどう違うのか」であったりとそれぞれの罪状に関して論じています。実際に刑法を学ぶ際も同じように総論と各論というように分かれて学んでいくので、司法書士などの刑法を含む資格試験の最初の取っ掛かりにも最適だと思いました。

この本の特徴としては主人公たちが刑法のゼミに入りながら、それぞれの言葉や罪について会話形式で進んでいくのが大きな特徴です。そのなかで、様々なシチュエーションを交えて刑法の条文とそれに対応する解説を複合的に例示しながら理解していくような本となっています。例えば、SNSによる発言にたいして、どのような発言をすると侮辱罪や名誉棄損罪になるか、また、それらに該当せずとも不法行為に当たる可能性があるなどの具体例もここで示しています。そのため、読者からしても非常に理解しやすい構成になっています。

最後に、刑法など主に法律を学ぶ法学部というのは世間一般的には文系の学問として知られており、理系からはなかなか授業の機会が少ないと思われますが、そんな中でも、今回この刑法の本を読むことによって、「他の法律ではどうなのだろう」であったり、「この条文と別の条文ではどのような違いがあるのか」といった様々な場面に応用ができるような本だと思うため、文系理系問わず読んでみてほしいと感じました。是非判例などもみながらこの本で得た知識を活かしてほしいと思います。

【第11回 甲南大学書評対決】 山田悠介著 『名のないシシャ』

10月14日(火)に開催された第11回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

和太鼓同好会甲(きのえ)チーム 法学部1回生 今中陽晴さんからのおすすめ本です。

 

 

書名:名のないシシャ
著者: 山田悠介
出版社:角川文庫
出版年:2014年

以下、今中さんの書評です。

あなたは特殊能力が欲しいと思ったことはありますか?本書に登場する少年は人の「死までの時間」が分かり、命を与える特別な力を持つ「シシャ」という存在だった。名を持たぬ彼は人間の少女?玖美から”テク”という名前をもらい、少しずつ喜びや悲しみといった感情を知る。しかし、永遠に大人にならないテクと成長していく玖美には、避けられない別れの運命が迫っていた。この少年はいつか、命を捧げてもいいと思う人間に出会えるのだろうか……
本書はそんな2人の切なすぎるラストが強烈に胸をうち、涙なしでは見られない物語です!

 

第11回 甲南大学書評対決、生協書籍部で実施中!

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【第11回 甲南大学書評対決】 星野源著 『いのちの車窓から』

10月14日(火)に開催された第11回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

和太鼓同好会甲(きのえ)チーム 文学部社会学科3回生 廣川あさひさんからのおすすめ本です。

 

 

書名:いのちの車窓から
著者: 星野源
出版社:角川文庫
出版年:2022年

以下、廣川さんの書評です。

彼は本の中でこう述べる。「人生は旅だというが、確かにそんな気もする。自分の体を機関車に喩えるなら、この車窓は存外面白い」
俳優、音楽家、ラジオパーソナリティ、そして文筆家の顔も持つ星野源。この本は彼が日常において感じた心の機微が綴られたエッセイである。
彼は間違いなくスターである。しかし、この本で出合う彼はどこか私たちと同じ日常を送っており、自分の日常とリンクする時が多々あるのである。時にこの本の中で彼が生きている日常に入り込み、彼の日常と共存している、そんな感覚を感じる。そしてその感覚から醒めた時、彼が覗いていた車窓を私も覗いていたのだと知る。
30篇にわたるそんな不思議な鉄道に揺られ、彼のいのちの車窓を覗いてみませんか。

 

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【第11回 甲南大学書評対決】 伊坂幸太郎著 『終末のフール』

10月14日(火)に開催された第11回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

和太鼓同好会甲(きのえ)チーム 法学部3回生 山内大遥さんからのおすすめ本です。

 

 

書名:終末のフール
著者: 伊坂幸太郎
出版社:集英社
出版年:2006年

以下、山内さんの書評です。

これは「八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。」そう予告されてから五年が過ぎた世界。当初の絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な状態に落ち着きつつある。
仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、彼らは新しい生命への希望、過去の恩讐、、、はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは。今日を生きることの意味を知る物語。
この作品は八つの物語から構成され、この終末の世界を生き抜こうとする8人が描かれる。それぞれの人物がみいだす希望や、強く生きるための姿勢に注目してほしい。

 

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【第10回 甲南大学書評対決】 伊坂幸太郎著 『ペッパーズ?ゴースト』

4月23日(水)に開催された第10回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

女子ラクロス部チーム 文学部人間科学科3年? 岩田 眞穂さんからのおすすめ本です。

 

 

書名:ペッパーズ?ゴースト
著者:伊坂幸太郎
出版社:朝日文庫
出版年:2024年

伊坂幸太郎さんの大ファンということで、気合の入ったプレゼンです!

 

以下、岩田さんからの書評です。

 

発売時のキャッチコピーが「明日を観て、世界に立ち向かえ!」と、あるように主人公の檀は他人の未来を見ることが出来る中学校教師です。この能力をきっかけに檀はとある出来事に巻き込まれていきます。

作者は伊坂幸太郎です。伊坂幸太郎作品の特徴である個性的な登場人物と様々な立場の人々が一つの物語に関わり、展開していくストーリーは本作でも魅力の一つです。教え子が渡してきた自作小説に登場するバディ、能力によって新幹線事故から助けた教え子の父親、能力をきっかけに関係を持つようになる謎のサークルと参加者たちが登場します。そこに、檀の能力と5年前の事件など様々な要素が絡まるとき、物語は一つの展開と結末を迎えます。檀は「明日を観て、世界に立ち向かう」ことが出来たのでしょうか。それはぜひ、皆さん自信で確認して見てください。

読みやすい文体と軽快な会話、スピード感があり読後感も良い作品です。小説入門としてもおすすめの一作です。

 

 

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【第10回 甲南大学書評対決】 湊かなえ著 『告白』

4月23日(水)に開催された第10回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

女子ラクロス部チーム 文学部歴史文化学科4年? 田渕 晴さんからのおすすめ本です。

 

 

書名:告白
著者:湊かなえ
出版社:双葉文庫
出版年:2020年

こちらはライブラリーサーティフィケイトでも人気の作品です。

 

以下、田渕さんからの書評です。

 

この本は、作者である湊かなえさんの代表作でもあり、ミステリー小説です。衝撃的な内容と独特な語り口で大きな話題を呼びました。

物語は、教師である主人公の森口悠子が、終業式のホームルームで、自分の娘を殺害した犯人を告白するところから始まります。彼女の告白で、事件の真相が少しずつ明らかになっていき、物語は関係者や周囲の人々など登場人物たちの視点で進んでいくので、様々な視点から物語を楽しめます。それぞれの登場人物が抱える秘密や心の葛藤が明らかになっていき、語り手の視点が変わることで真実が浮かび上がります。予測不可能な結末へと展開していき、目が離せません。

人間の感情や罪、復讐といったテーマが織り交ぜられ、また色々な視点から物語を読むことができ、読者を引き込む話となっています。

 

 

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