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【第11回 甲南大学書評対決】 山田悠介著 『名のないシシャ』

10月14日(火)に開催された第11回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

和太鼓同好会甲(きのえ)チーム 法学部1回生 今中陽晴さんからのおすすめ本です。

 

 

書名:名のないシシャ
著者: 山田悠介
出版社:角川文庫
出版年:2014年

以下、今中さんの書評です。

あなたは特殊能力が欲しいと思ったことはありますか?本書に登場する少年は人の「死までの時間」が分かり、命を与える特別な力を持つ「シシャ」という存在だった。名を持たぬ彼は人間の少女?玖美から”テク”という名前をもらい、少しずつ喜びや悲しみといった感情を知る。しかし、永遠に大人にならないテクと成長していく玖美には、避けられない別れの運命が迫っていた。この少年はいつか、命を捧げてもいいと思う人間に出会えるのだろうか……
本書はそんな2人の切なすぎるラストが強烈に胸をうち、涙なしでは見られない物語です!

 

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【第11回 甲南大学書評対決】 星野源著 『いのちの車窓から』

10月14日(火)に開催された第11回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

和太鼓同好会甲(きのえ)チーム 文学部社会学科3回生 廣川あさひさんからのおすすめ本です。

 

 

書名:いのちの車窓から
著者: 星野源
出版社:角川文庫
出版年:2022年

以下、廣川さんの書評です。

彼は本の中でこう述べる。「人生は旅だというが、確かにそんな気もする。自分の体を機関車に喩えるなら、この車窓は存外面白い」
俳優、音楽家、ラジオパーソナリティ、そして文筆家の顔も持つ星野源。この本は彼が日常において感じた心の機微が綴られたエッセイである。
彼は間違いなくスターである。しかし、この本で出合う彼はどこか私たちと同じ日常を送っており、自分の日常とリンクする時が多々あるのである。時にこの本の中で彼が生きている日常に入り込み、彼の日常と共存している、そんな感覚を感じる。そしてその感覚から醒めた時、彼が覗いていた車窓を私も覗いていたのだと知る。
30篇にわたるそんな不思議な鉄道に揺られ、彼のいのちの車窓を覗いてみませんか。

 

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【第11回 甲南大学書評対決】 伊坂幸太郎著 『終末のフール』

10月14日(火)に開催された第11回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

和太鼓同好会甲(きのえ)チーム 法学部3回生 山内大遥さんからのおすすめ本です。

 

 

書名:終末のフール
著者: 伊坂幸太郎
出版社:集英社
出版年:2006年

以下、山内さんの書評です。

これは「八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。」そう予告されてから五年が過ぎた世界。当初の絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な状態に落ち着きつつある。
仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、彼らは新しい生命への希望、過去の恩讐、、、はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは。今日を生きることの意味を知る物語。
この作品は八つの物語から構成され、この終末の世界を生き抜こうとする8人が描かれる。それぞれの人物がみいだす希望や、強く生きるための姿勢に注目してほしい。

 

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【第11回 甲南大学書評対決】 新田次郎著 『孤高の人』

10月14日(火)に開催された第11回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

フロンティアサイエンス学部教授 藤井敏司?先生からのおすすめ本です。

 

 

 

 

 

 

 

書名:孤高の人 (上?下)
著者: 新田次郎
出版社:新潮社
出版年:1973年

藤井先生3冊目のおすすめ本です。山岳小説として名高いこちらの本です。

以下、先生の書評です。

甲南大学は山の麓にあり、皆さんにとって六甲山は身近な存在ですが、「六甲全山縦走路」という登山ルートがあることを知っているでしょうか?このルートは、現在も年間何回か大会が開かれている須磨浦公園から宝塚まで山を繋いで歩く全長56kmともいわれる長大な登山ルートです。
このルートが整備されるきっかけとなったのが、本書の主人公、兵庫県新温泉町浜坂出身の加藤文太郎です(加藤は須磨から宝塚まで六甲山を歩き、その日のうちに平地から須磨まで歩いて帰った、という逸話をもつ体力オバケ)。
大正から昭和にかけて、当時ガイドをつけてグループで登ることが主流だった登山界のしきたりを覆し、単独で数々の困難な登攀を行なった加藤の生涯を描いた本書は、登山シーンの面白さは言うまでもありませんが、人間付き合いが下手であった加藤の苦悩とその反動とも言える山への情熱を描いた人間ドラマとしても秀逸です。
是非、加藤の人生を追体験してみてください。本書を読んだ後、きっとあなたも山に登りたくなりますよ。

 

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【第11回 甲南大学書評対決】 鈴木俊貴著 『僕には鳥の言葉がわかる』

10月14日(火)に開催された第11回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

フロンティアサイエンス学部教授 藤井敏司?先生からのおすすめ本です。

 

 

書名:僕には鳥の言葉がわかる
著者: 鈴木俊貴
出版社:小学館
出版年:2025年

藤井先生2冊目のおすすめ本です。第24回新潮ドキュメント賞、第13回河合隼雄学芸賞を受賞した今話題の本です。

 

以下、先生の書評です。

 

昔から、「言葉を持つのは人間だけだ」と言われてきました。ところがその定説を本書の著者である鈴木先生が覆したのです。
本書には、鈴木先生が卒業研究のテーマとしてシジュウカラという鳥と出会い、その後シジュウカラが鳴き声を使って様々なコミュニケーションを取っている、ということを発見し、動物言語学という新たな学問領域を切り拓いていく過程が書かれています。誰も知らない、誰も辿ったことのない道を進むことは不安で簡単なことではありませんが、自分しか知らない道の事柄を発見していくことは知的興奮にあふれ、不安や苦労を凌駕するものです。
是非、皆さんも本書でその興奮を追体験し、自分なりの未知領域への挑戦の参考書にしてください。

 

 

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【第11回 甲南大学書評対決】 桜井弘著 『生命にとって金属とはなにか : 誕生と進化のカギをにぎる「微量元素」の正体』

10月14日(火)に開催された第11回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

フロンティアサイエンス学部教授 藤井敏司?先生からのおすすめ本です。

 

 

書名:生命にとって金属とはなにか : 誕生と進化のカギをにぎる「微量元素」の正体
著者: 桜井弘
出版社:講談社ブルーバックス
出版年:2025年

藤井先生1冊目のおすすめ本です。先生の専門分野の本です。

 

以下、先生の書評です。

 

私の専門は「生物無機化学」という学問で、生物の中で鉄や銅などの金属イオンがどのような働きをしているか、を調べることが主たる研究テーマです。
本書は、もともと金属イオンを薬物に利用する研究をされていた桜井先生が、我々、生き物がいかにして地球上に生まれてきたか、また、その際に種々の金属イオンがどのような役割を果たしたか、を最新のデータを交えながら平易に解説してくださっています。
今、これを読んでいるあなたも、金属イオンの働きがなければ、この世に存在していなかったのです。文系の皆さんには少し難しい部分もありますが、是非一読して、自分の存在がいかに奇跡的か、を追体験してみてください。

 

 

第11回 甲南大学書評対決、生協書籍部で実施中!

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